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6割ルール(寄附金活用可能額の段階的引き上げ)|2026年10月〜の事業者への影響

公開 2026.07.04

※2026年7月時点の情報です。制度の根拠は「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月19日与党公表)。6割ルールの導入・施行日(2026年10月1日)・特例控除の上限(193万円)は財務省の大綱原文で確認済みです。段階的な引き上げ率(52.5%→60%)は経過措置にもとづく見込みで、複数の専門家解説で一致していますが、最終的な数値は総務省の告示等でご確認ください。

2026年10月から、ふるさと納税に「6割ルール」が入ります。ざっくり言うと、自治体が寄附金のうち地域の事業に使える額を段階的に増やすルールで、事業者側から見ると「同じ寄付額で出せる返礼品の枠がさらに狭くなる」方向の改正です。何がいつ変わり、あなたは何をすべきかを整理します。

結論:募集の経費枠が、5割からさらに絞られる

これまでの「募集費用は寄付額の5割以下」に加えて、2026年10月からは「寄附金活用可能額(=地域の事業に使える額)が寄附金の一定割合以上」という基準が入ります。最初は52.5%以上、最終的に60%以上へ段階的に引き上げ。裏を返すと、募集にかけられる経費の上限が5割→最終的に4割まで下がるということです。返礼品の原価・送料・手数料の設計を早めに見直す必要があります。

①6割ルールとは(何が変わる)

正式には「寄附金活用可能額」の基準です。自治体が受け取った寄附金の合計から募集費用を引いた額(=地域の事業に使えるお金)が、寄附金合計の一定割合以上でなければならない、というルール。財務省の大綱原文では「寄附金活用可能額が寄附金の合計額の100分の60に相当する金額以上であること」と定められ、令和8年(2026年)10月1日以後に効力を生ずる指定から適用されます。

いきなり60%ではなく、経過措置で段階的に引き上げられる見込みです(下表・数値は見込み)。

期間 活用可能額(地域に使う額) 裏返し=募集経費の上限
2026年10月〜2027年9月 52.5%以上 47.5%以下
2027年10月〜2028年9月 55%以上 45%以下
2028年10月〜2029年9月 57.5%以上 42.5%以下
2029年10月〜 60%以上 40%以下

※段階スケジュールは経過措置にもとづく見込みです(複数の専門家解説で一致。最終確認は総務省告示で)。

②これまでの「5割ルール」との関係

2023年10月から、募集費用は寄付額の5割以下(返礼品の調達費+送料+ポータル手数料+広報+事務+人件費の合計)というルールが動いています。6割ルールは、この経費を「地域に使える額」の側から締めるもの。つまり実質的に募集費用の上限がさらに下がる方向です。

  • 現行:募集費用 5割以下(返礼品3割+その他2割が目安)
  • 2026年10月〜(見込み):活用可能額52.5%以上 → 募集費用は47.5%以下
  • 最終(見込み):活用可能額60%以上 → 募集費用は40%以下

返礼品の原価枠(現在は寄付額の3割が目安)が、送料や手数料の圧迫でさらに窮屈になっていく、というのが事業者にとっての実感になります。

③あなたへの影響(影響判定)

自分の返礼品がどれくらい効くか、ざっくり見分けます。

  • 現行5割枠でギリギリの設計(送料が重い・大容量・クール便)→ 影響大。47.5%枠で赤字化の可能性。最優先で再設計。
  • 原価・送料に余裕がある設計(常温・適正サイズ・高付加価値)→ 影響中。当面は耐えるが、段階引き上げに備える。
  • 高単価・少量の質勝負影響中。原価率が低ければ枠は守りやすいが、後述の193万円上限で高額帯は市場が縮む点に注意。
寄附金のうち地域に使う額が段階的に増え、募集経費の枠が狭くなっていくことを表した版画風イラスト

④今すぐやるべきこと

  1. 自治体に確認:出品先の自治体が、10月以降の寄付額・容量をどう見直すか。対応スピードは自治体ごとに違うので、早めの協議を。
  2. 原価構造を再計算:送料・梱包・ポータル手数料を含めて、47.5%枠で成り立つか再試算。現行でギリギリなら要注意。
  3. 「量を減らす」より「質・体験を上げる」:容量削減で価格維持は短期しのぎ。長期的にはブランドを守る方向(品質・体験で寄付額帯を維持)を検討。
  4. 定期便の見直し:回数・1回容量の調整が入る可能性。回数×容量×送料で総コストを早めにシミュレーション。
事業者が自治体と相談しながら原価と容量を再設計する様子を表した版画風イラスト

⑤あわせて決まった「特例控除の上限(193万円)」

同じ大綱で、高額寄付者の控除に上限が入りました。令和10年度(2028年度)以後の個人住民税に適用され、特例控除額の上限は道府県民税77万2千円+市町村民税115万8千円=193万円(所得税の寄附金控除・住民税基本控除と合わせた控除上限は438万円)。対象は年収1億円相当を超える層です。

大多数の事業者(1〜3万円帯の返礼品)への直接影響は限定的ですが、高額返礼品(数十万円〜)の市場は縮む見込み。自治体全体の寄附金総額が動けば、間接的な影響はありえます。

で、何をすれば売れるか

  1. 出品先の自治体に、10月以降の方針(寄付額・容量の見直し)を確認する。
  2. 送料・手数料込みで、47.5%枠(最終的に40%枠)で成り立つか原価を再計算する。
  3. 「量で守る」より「質・体験で寄付額帯を守る」設計にシフトできないか検討する。
  4. 定期便・セットは回数×容量×送料で総コストを試算し直す。

制度は「事業者に不利になった」だけではなく、設計を先に直した人が10月以降に有利になる改正でもあります。あわせて「募集費用5割ルール」「内容量の決め方」「選ばれる寄付額の決め方」もご覧ください。

自分の返礼品が新ルールで成り立つか不安な方は、気軽にご相談ください。改正の続報(総務省の告示・自治体の対応)は、メルマガに登録しておけば追いかけなくても届きます。

出典・参考

  1. 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月19日与党公表)個人住民税・ふるさと納税の見直し(寄附金活用可能額100分の60以上/令和8年10月1日以後の指定に適用/特例控除限度額 道府県民税77万2千円+市町村民税115万8千円)=一次
  2. 総務省 ふるさと納税(指定基準に係る告示改正・令和8年3月24日)/募集費用5割以下基準=一次
  3. 段階的引き上げ(52.5%→55%→57.5%→60%)の経過措置スケジュール:EY Japan・東京法人会連合会ほか専門家解説(複数一致・見込み)

本記事は2026年7月時点の情報です。段階スケジュール等の確定値は総務省の告示・通知の最新でご確認ください。数値の断定は避け、見込みは「見込み」と明記しています。

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