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【2026年10月改正】あなたの返礼品は、出し続けられる? ふるさと納税「付加価値基準」厳格化を事業者目線で整理

対象:事業者・自治体 公開 2026.06.05
結論

「自分の地域で、商品の価値の過半が生まれている」と説明できれば、これまで通り出せます。逆に、地域の外で作って名前やロゴを付けただけの返礼品は、出しにくくなります。

※2026年6月時点の情報です。本改正は 2026年10月1日(令和8年10月1日)から適用 されます。

今回の改正は、新しく厳しいハードルを足したというより、これまで曖昧だった「地場産品らしさ」の測り方を、はっきりさせたものです。だから、まじめに地域で価値を作ってきた事業者ほど、慌てる必要はありません。準備すべきは「証明できる形に整えておくこと」です。

まず3行で:何が変わる?

  1. 製造・加工品は「価値の過半が地域内で生まれた」ことを、価格をもとに事業者が証明する。
  2. 自治体は、その証明の内容と一般販売価格を、返礼品を出す前に公表する。
  3. 名前・ロゴを付けただけの他地域製品は、直近1年の配布・販売の実績数量までしか出せない。

根拠は、総務省が2025年6月24日に出した告示改正(令和7年総務省告示第220号)です。テーマは「募集費用の透明化」と「地場産品基準の明確化」の2本柱です。

地域での付加価値を証明する書類と価格の根拠を整える様子のイラスト

改正の正体は「付加価値基準の明確化」

ふるさと納税の返礼品には、もともと「地場産品基準」というルールがあります。その中に、製造・加工品は区域内で相応(過半)の付加価値が生じていること、という要件があります(平成31年総務省告示第179号 第5条)。

問題は、これまで「付加価値の過半」をどう計算するのかが示されていなかったこと。たとえば、企画は地元でも製造は海外、という電化製品などが「地場産品」として扱われる例があり、ここに線を引くことになりました。

これまで 2026年10月から
付加価値の要件 「過半が区域内」だが算出方法は不明確 価格をもとに算出し、過半が区域内であることを事業者が証明
自治体の対応 明確な公表義務なし 証明の内容と一般販売価格を提供前に公表
工程の見方 企画立案でも「地場」とされる例 製造等か企画立案等かを区別し、地域で生じた価値を重視

つまり、「うちの地域で価値が生まれている」と数字と言葉で説明できる状態にしておくこと。それが新しい基準への一番の備えになります。

もう一つの論点:ロゴだけ商品・体験型の線引き

地元キャラクターのグッズなど、広報が目的の返礼品は、これまで他地域での生産も例外的に認められてきました。ただ、自治体名やロゴを付けただけの他地域製品まで出てきて、趣旨に合わないと指摘されていました。

そこで2026年10月からは、こうした広報目的の品は、その自治体が直近1年間で実際に配布・販売した実績の数量までに限定されます。宿泊などの体験型サービスについても、地域との関連性をより重視して判定されます。

あなたの返礼品は大丈夫? 3つの影響チェック

自分の商品が当てはまるか、まずはここを確認してください。

  1. 主要な工程が地域内にあるか。 製造・加工を地元でしているか、それとも企画だけで製造は外か。
  2. 「価値の過半が地域内」と価格で説明できるか。 原価・工程・販売価格の根拠を、後から見せられるか。
  3. ロゴ商品・体験型に頼っていないか。 名前を付けただけの他地域品が主力になっていないか。

1つでも不安があれば、2026年9月までに整理しておくのが安全です。

地域の中で作り、地域で価値を生む様子のイラスト

で、何をすればいい?(対応の手順)

  1. 一般販売価格と原価・工程の根拠を、いまのうちに1か所にまとめる。 公表が前提になるので、出せる形で揃えます。
  2. 「どこで価値が生まれているか」を一枚で説明できるようにする。 仕入れ・加工・パッケージのどこが地元かを図にすると、自治体との話が速いです。
  3. 自治体の担当者と、証明・公表の段取りを早めに確認する。 提供前の公表が必要なため、申請のタイミングがこれまでと変わります。
  4. グレーな品は、2026年9月までの扱いを点検する。 続けられるか、作り方を地域内に寄せるか、判断します。

なぜ厳しくなった?(背景は手短に)

ふるさと納税の募集にかかる費用は5千億円を超える規模になり、返礼品の確認件数も年間で約100万件(令和6年指定時)まで増えました。産地の偽装も一部で発覚しています。こうした流れを受けて、「本当に地域のためになっているか」を見える形にするのが、今回の透明化の狙いです。

事業者にとっては手間が増える面もありますが、裏を返せば、まじめに地域で価値を作る事業者が正しく評価される方向への変化でもあります。

まとめ

  1. 2026年10月から、製造・加工品は「価値の過半が地域内」を価格で証明、自治体が事前に公表。
  2. 名前・ロゴだけの他地域品は実績数量までに制限。
  3. いま備えるべきは、「地域で価値が生まれている」と説明できる準備。慌てて作り方を変える前に、まず根拠の整理から。

出典

  1. 総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(令和7年6月24日/令和7年総務省告示第220号・Q&A)
    soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000144.html
  2. 総務省「ふるさと納税の指定基準等について」(令和7年5月13日 市町村税課 資料1)
    soumu.go.jp/main_content/001010750.pdf
  3. 総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し」(ポイント等・令和7年10月1日適用)
    soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000126.html
  4. 総務省「ふるさと納税の次期指定に向けた見直し」(令和5年改正・募集費用5割/熟成肉・精米)
    soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000113.html
  5. 日本経済新聞「ふるさと納税返礼品、『地場産』基準厳しく」(2025-06-24)
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