ふるさと納税に返礼品を出すには?自治体への登録の流れと「地場産品基準」の通し方【2026年版】
※2026年6月時点の情報です。制度は変わることがあるため、最新は総務省および各自治体の公式でご確認ください。具体的な適否は各自治体の窓口にご相談ください。
「自社の商品を、ふるさと納税の返礼品にしたい」。そう思ったとき、最初の関門は出品の手続きではありません。①どの自治体に出すか、②その商品が地場産品基準を満たすか——この2つです。ここさえ筋が通れば、あとは登録して審査を通すだけ。流れと注意点を整理します。
まず3行で
- 申請先の本命は、自分が商品を製造・加工している市区町村(知名度ではなく”製造地”で決まる)。
- 製造品なら地場産品基準3号(区域内で過半の付加価値)が本線。原材料が海外調達でも、区域内の加工で付加価値が過半なら出せる可能性がある。
- ただし2026年10月改正で、付加価値の過半が区域内で生じた”証明”が必要になる。

①最初に決めるのは「どの自治体に出すか」
ふるさと納税の返礼品は、その自治体の地場産品であることが原則です。だから「全国的に有名な街に出したい」ではなく、自分の商品を実際に作っている市区町村が申請先の本命になります。
製造拠点がA市にあるなら、A市が本命。同じ製造品を複数の自治体に重複して出すことは、原則として想定されていません(区域内の付加価値で判定するため)。
②あなたの商品は「地場産品基準」のどれに当たる?
地場産品基準にはいくつかの型(号)がありますが、製造業・加工業の事業者で現実的なのは主に次の2つです。
- 原材料が区域内(1号・2号系):主要な原材料がその区域内で生産されているもの。農産・水産・畜産はこちら。
- 区域内の製造・加工で付加価値(3号):区域内で製造・加工することで相応(過半)の付加価値が生じているもの。原材料の産地は問われません。工芸品・加工品・工業製品はこちら。
つまり、原材料を海外や他地域から仕入れていても、自分の区域内で加工して製品にしているなら3号で出せる可能性があるということです。総務省の例示でも、区域外(海外を含む)の原材料を使い、区域内で加工・品質管理して自社製品として販売するものは認められうる、とされています。

③2026年10月改正の注意点(ここが今いちばん大事)
2026年10月開始の指定対象期間から、ルールが厳しくなります。製造・加工品については、付加価値の過半(おおむね50%超)がその区域内で生じていることを”証明”することが求められます。
判定はおおむね「区域内で生じた付加価値 ÷ 売価」で見ます。たとえば売価1万円の製品で、区域内の加工で生まれた付加価値が5千円超なら該当、原材料費ばかりで区域内加工が薄いと該当しない、という考え方です。原材料が高価で加工の比率が低い商品は、ここで引っかかる可能性があるので、付加価値の内訳を金額で説明できるようにしておくのが要点です。
④登録の流れ(5ステップ)
- 自治体(または委託事業者)に事前相談:「この商品、地場産品で出せますか?」を率直に聞く。多くの自治体が事前ヒアリングを受けてくれます。寄付額の設定もここで相談。
- 事業者登録:自治体の登録要領に沿って申込。事業者概要・返礼品の写真・(食品なら)食品表示などを提出。
- 返礼品登録:多くの自治体は委託事業者(中間事業者)のシステムで返礼品情報を入力。ポータルへの掲載はこの委託事業者が代行することが多い。
- 審査:地場産品基準の適合、写真・表示の確認。3号なら付加価値の証明(証明書・工程表)を求められることがある。
- 掲載:審査を通れば、さとふる・ふるさとチョイス・楽天ふるさと納税などのポータルに掲載。多くの自治体で掲載料・送料・決済手数料は自治体側が負担。
⑤で、何をすればいい?
- まず製造地の自治体を申請先に定める(知名度でなく製造地)。
- 自分の商品が1号・2号(区域内原材料)か、3号(区域内加工の付加価値)かを見極める。
- 3号なら、付加価値の過半が区域内で生じていることを金額で説明できるよう準備(2026年10月以降は証明が要る)。
- 迷ったら、まずその自治体の窓口に事前相談。出せるかどうかは、ここで早めに確認するのが近道です。
まとめ
- 申請先は「製造地の自治体」が本命。地場産品が原則。
- 製造品は3号(区域内加工の付加価値)が本線。原材料が海外でも、区域内加工が過半なら出せる可能性。
- 2026年10月改正で付加価値の証明が必要に。内訳を金額で説明できる準備を。
あわせて「地場産品基準の自己診断」、「2026年10月改正まとめ」もご確認ください。
出典・参考
- 総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(令和7年総務省告示第220号/ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A 令和7年総税市第73号)。2026年10月開始の指定対象期間から適用。
soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000144.html - 地場産品基準の区域内製造・加工(3号)に関する総務省の例示。
本記事は2026年6月時点の情報です。具体的な適否は各自治体の窓口にご相談ください。